話題の働き方改革はうまくいくのか?

2015年にあった電通での過労死から、長時間労働(残業)の規制が厳しくなり、また、昨今の効率化の流れが支持され、働き方改革が国会レベルで議論されています。2018年6月末には「働き方改革関連法案」が可決され、2019年4月から施行されます。難しい法案が議論されているようですが、実際は「残業減らしましょう」、「仕事量にあった賃金にしましょう」って話だと思っています。国が動くと、企業も罰則が出てくるので、対応しようとして必死ですよね。厚生労働省でも働き方改革の実現に向けてホームページも作られています。働き方改革の内容を抜粋すると、下記の通りです。

1.時間外労働の上限規制が導入(時間外労働の上限、月45時間、年360時間を原則)

2.年次有給休暇の確実な取得(10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、 毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える)

3.正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の 不合理な待遇差の禁止(同一企業内において、 正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)の間で、 基本給や賞与などの個々の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止)

この内容をみると働き方改革は、会社側にとってメリットがたくさんあるんですよね。コストダウンがかなり図れるんです。1.では残業手当を払う必要がなくなりますし、2.も同じように残業をする機会が減ります。3.については年功制の撤廃を図ることができ、年齢の高い人の賃金を下げることができます。法令に従ってやってますって根拠があれば、言いやすいですしね。最近の情報化社会では、パソコン等が使えるとやってるように見えますが、使えない人はやっていないように見られます。高齢の方は、使えない人が比較的多いので、賃金が下げやすいんです。けど、仕事の解決能力は経験が大切だと思いますし、その時々の対応が重要だと考えています。キレイな資料を作る事も大切ですが、やっぱり需要があるから対応するのであって、なんか違って来ている感じがします。

通信費の件でも最初の前提がずれると、対応策もずれてくるので、重要ですね。

仕事だけではなく、自分の時間が増えることはいいことだと思いますが、急に変えることは危険だと思います。なぜなら、残業時間を基にライフスタイルが組まれているからです。ボーナスが急になくなると、大変ですよね?月の就業時間が8時間×20日とすると、160時間/月となります。月60時間とかしていた方は、時間外は25%割増となることが多いので、実際は70時間程度の賃金になりますので、1.5倍の給料をもらうことになります。この部分がなくなると辛いですよね?それも数年で。若い人はいいと思いますが、子供や妻が専業主婦の場合はこれまでの計画が崩れますよね。ちなみに、日本のこれまでの一般的な家庭では、夫が働いて妻が専業主婦をしている形でしたが、この形も崩れてきています。

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国土交通省:女性の就業状況の変化

1980年から2010年までのデータですが、1997年で共働きの世帯が逆転してきています。女性の就業率も若い人を中心に上がってきているようです。しかし、全年齢では変化がない、いや、下がっているみたいですが。40才以上の方に専業主婦が多いのかもしれません。この世代が一番子供にもお金がかかるので大変です。30~40代はすごく大変な時代ですよね。リーマンショックとかの影響で、就職氷河期だったり、沈黙の10年だったり。次は、働き方改革ですね。

お国は簡単に、労働者のためということで、自由時間の確保ができていいと考えていますが、その後ろには、生活があるんです。専業主婦の就業率を上げたり、副業の斡旋をしたり、家事代行の補助を出したり。税法の方では、扶養対象の範囲が150万円に引き上げられ、専業主婦を続けさせるつもりですし、整合がとれていないように感じます。また、社会保険の上では、130万円の上限もありますので、こちらも整合がとれていません。

働き方改革で、今後、自由時間が増えることになった場合、その自由時間を何に使うのかが気になるところですね。お金だけのことをいえば、これまで残業していた分を副業で補填しようとすれば、これまでの残業時間より割増分は少なくとも多く働かなければならないので、今よりも自由な時間が減るのではないでしょうか?更に、本業以外で働く分は残業にはなりませんが、一日の中で働いている時間は変わりません。そのうち、一日に労働時間は何時間までってなりそうですね。マイナンバーがあれば、どこでどれだけ働いたかわかると思います。

これって、労働者のためになっているんでしょうか?

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