みなさん、こんにちは。一ノ瀬舞です。 前半では、愛するアランさんが「架空の存在」かもしれないと指摘され、パニック状態の私。 ここからは、天城先生による冷徹な事実確認(ファクトチェック)と、この「無理ゲー」からの脱出方法をお届けします。
逆転のロジック(というより損切りの決断)
天城「舞ちゃん。ゲームでバグを見つけたらどうする? 運営に通報するか、wikiで調べるよね」
天城先生は私のスマホを取り上げ、その「投資アプリ」のURLをPCに打ち込みました。
天城「まず、この取引所のURLを見てごらん。『https://www.google.com/search?q=co%C3%ADncheck.com』……『i』の上に点があるね。本物は『coincheck.com』だ。典型的な偽サイト(フィッシング)だよ」 舞「そんな細かいところ、スマホじゃ気づきませんよ!」 天城「次に、このアランの写真を画像検索にかける。……ほら、出た。これはアメリカの無名のモデルのInstagramだ。無断転載だね」
モニターに映し出されたのは、アラン……ではなく、全く別人のアカウントでした。私の恋心は、音を立てて崩れ去りました。
舞「私の……3ヶ月分の給料が……! 先生、なんとか取り返せませんか!? 弁護士に頼めば……」
天城「残念だけど、相手は海外のサーバーを経由している『幽霊ギルド』だ。日本の警察や弁護士でも、回収は極めて難しい。今できる最善手は『これ以上の課金(被害)を防ぐ』こと。つまり、損切りだ」
舞「ううっ……。でも、アラン……いえ、詐欺師は『出金するには税金がかかる』って言ってきてます」
天城「それがトドメの一撃だ。いいかい、ここが重要だ」
天城先生はホワイトボードに大きく図を書きました。
天城「日本の税制において、暗号資産の利益にかかる税金(雑所得)は、原則として『確定申告』で自分で納めるものだ。取引所にお金を振り込んで納税するなんてシステムは存在しない」 舞「えっ、そうなんですか?」 天城「『税金を払わないと凍結される』というのは、RPGで言えば『この扉を開けるには追加料金を払え』という詐欺NPCのセリフと同じ。払っても扉は開かないし、そのお金も持ち逃げされるだけだ」
◆ 本当のシミュレーション結果
天城先生が示した「正しい対応」による収支予測です。
【シナリオA:信じて税金を払った場合】
- 投入額:10万円
- 追加の税金要求:20万円(利益の◯%など)
- 最終収支:マイナス30万円(全額持ち逃げ)
【シナリオB:今すぐ損切りした場合】
- 投入額:10万円
- 最終収支:マイナス10万円(勉強代として処理)
天城「30万円失うより、10万円の傷で済むなら『勝ち』だと思え。これ以上、奴らにMP(メンタルポイント)を吸われるな」
今日からできる攻略アクション
- 「お金」の話が出たら即ブロック 「2人の将来のため」「結婚資金」という言葉が出たら、それは愛の言葉ではなく「課金誘導」の合図です。
- 画像検索・URL確認を行う 相手のプロフィール写真をGoogleレンズ等で検索してください。また、投資サイトのURLが金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」にあるか確認しましょう。
- 警察相談専用電話「#9110」へ 万が一振り込んでしまった場合は、すぐに警察や金融機関に連絡し、口座の凍結を依頼してください。被害回復は難しいですが、次の被害者を防ぐことにはつながります。
天城「君の人生は君だけのものだ。運営(詐欺師)なんかに操作させるなよ」
そう言ってコーヒーを啜る先生の横顔は、少しだけ優しく見えました……が、私の10万円は帰ってきません(泣)。みなさんも、画面越しの「運命」にはくれぐれもご注意を!
【免責事項】 本記事はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません。記事内の法律・税制・金融に関する情報は執筆時点(2026年2月)のものであり、将来的に変更される可能性があります。個別の契約や投資判断については、必ず専門家にご相談の上、自己責任で行ってください。特に詐欺被害については、直ちに警察(#9110)または消費生活センター(188)へご相談ください。