
もし、人生をやり直せるとしたら、皆さんは何を変えますか? 職業選び、パートナー選び、あるいは「もっと勉強しておけばよかった」という後悔かもしれません。
しかし、私たち40代にとって最も切実、かつ現実的な「もしも」は、**「もし、20代の頃から資産形成を真面目にやっていたら?」**ではないでしょうか。
「貯蓄から投資へ」というスローガンが叫ばれて久しい昨今ですが、頭ではわかっていても、その「差」が数十年後にどれほどの絶壁となって現れるのか、肌感覚で理解している人は多くありません。
「ただの貯金」と「複利を効かせた運用」。 この二つの生き方が、90年の人生でどれほど残酷な格差を生むのか。それを可視化するためのシミュレーターを開発し、本日公開しました。
実は私、プログラミングのコードは一行も書けません。 そんな私が、なぜこのようなWebアプリを作れたのか。そこには**「アンチグラビティ(Anti-Gravity)」**という、魔法のような開発ツールの存在がありました。
今日は、私が作ったこの未完成のシミュレーターと、それを生み出した「技術の壁を超える体験」について、少しお話しさせてください。
なぜ、今「資産運用の可視化」なのか
見えない恐怖と、見えない希望
私たちは日々、働いて収入を得て、消費し、残りを貯蓄に回しています。しかし、そのお金が「30年後にどうなっているか」を想像するのは困難です。
人間の脳は、直線的な変化(足し算)を理解するのは得意ですが、指数関数的な変化(掛け算=複利)を直感的に理解するのは非常に苦手だと言われています。
- 毎月3万円をタンス預金(金利0%)し続けた場合:30年で1,080万円。
- 毎月3万円を年利5%で運用し続けた場合:30年で約2,500万円。
この「倍以上の差」は、頭では計算できても、実感として湧きにくいものです。ましてや、人生には「結婚」「住宅購入」「子供の教育費」といった巨大な出費イベントがあり、市場には数年に一度の「大暴落」が訪れます。
これらすべての変数を織り込んだとき、私たちの資産はどのようなカーブを描くのか? それをグラフで、数値で、目の前で動くアニメーションとして「可視化」したい。それが、このプロジェクトの原点でした。
ライバルは「過去の自分」か、それとも…
このシミュレーターには、明確な対戦相手が存在します。 画面右側に表示される**「ライバル」**です。
彼は、あなたと同じ年齢でスタートし、同じ金額を入金し続けます。 ただし、彼は**徹底した「貯金信者」**です。リスクを一切取らず、年利1%程度の安全資産(定期預金など)のみで資産を管理します。
対するあなたは、プレイヤーとして資金を配分する権限を持っています。「貯金」に回すか、「運用」に回すか。さらには、資金を使って「金融リテラシー」や「キャリア(稼ぐ力)」といったスキルを購入し、自己投資することも可能です。
90歳の時点で、あなたの資産はライバルを上回っているか? それとも、無謀なリスクテイクが祟って、堅実なライバルに笑われる老後を迎えるのか?
これは単なるゲームではなく、「運用を選ばなかった未来」と「運用を選んだ未来」の対比実験なのです。
専門知識ゼロからの開発:AIツール「アンチグラビティ」
「作りたい」と「作れる」の間にあった断絶
これほど詳細な仕様を思いついても、これまでの私なら「アイデア止まり」で終わっていたでしょう。 なぜなら、私にはWebアプリを作るための技術力がないからです。HTML? CSS? JavaScript? 単語は知っていても、それを組み合わせて動くものを作るなんて、エベレストにサンダルで登るようなものでした。
これまで、非エンジニアの私にとって、アプリ開発は**「ガラス越しの景色」**のようなものでした。 手を伸ばせば届きそうなほど鮮明に「作りたいもの」が見えているのに、目の前にある「コーディング」という透明で硬い壁に阻まれて、決して触れることができなかったのです。
「こんな機能があったらいいのに」という情熱だけでは、この壁を壊すことはできませんでした。
しかし、時代は変わりました。 今回、私が使用したのは**「アンチグラビティ(Anti-Gravity)」**というAIツールです。
このツールは、その名の通り、私を縛り付けていた「スキルの有無」という重苦しい制約を無効化し、アイデアを軽やかに浮上させてくれました。
対話だけで世界が組み上がる
開発プロセスは、驚くほどシンプルで、かつエキサイティングなものでした。 私がやるべきことは、AIに対して「日本語で」要望を伝えることだけです。
「画面の左側には、プレイヤーのアクションボタンを配置してほしい」 「右側には、ライバルの資産状況をリアルタイムで表示したい」 「中央には、年齢とともに伸びていく資産推移のグラフを描画して」
私がテキストを入力するたびに、アンチグラビティは瞬時にコードを生成し、プレビュー画面に反映してくれます。 まるで、熟練のエンジニアが私の隣に座り、「こういうことですね?」と、リアルタイムで画面を作ってくれているような感覚。
**「暴落イベントをもっとドラマチックにしたい」**と言えば、画面全体が赤く点滅し、資産が一気に目減りする演出を追加してくれました。 **「90歳まで生きるのが長すぎるから、倍速ボタンが欲しい」**と言えば、時間制御の機能が実装されました。
私がコードを書くことは一度もありません。私がやったのは、「どんな世界を見たいか」を定義することだけです。 この体験は、まさにクリエイティブの解放でした。これまで諦めていた「自分だけのツール」が、ものの数時間で形になっていく快感は、筆舌に尽くしがたいものがあります。
『THE SNOWBALL』で体験できる「投資のリアル」
さて、アンチグラビティの力を借りて完成しつつある『THE SNOWBALL』ですが、こだわったのは「教科書的な右肩上がり」ではない、投資のドロドロとしたリアルさです。
シミュレーターに実装(予定含む)した、いくつかの特徴的な機能を紹介させてください。
1. 「スキル」という概念
投資はお金でお金を増やす行為ですが、その原資を作るのは「労働」です。 このゲームでは、手元の資金を使って**「自己投資」**ができます。
- キャリア Lv.UP: 毎年の収入(入金力)が上がります。
- 金融リテラシー Lv.UP: 運用の平均利回りが向上します。
- リスク管理 Lv.UP: 暴落時の資産減少を食い止めます。
20代のうちは、株を買うよりも「キャリア」にお金を使ったほうが、生涯賃金が増え、結果的に資産が大きくなるかもしれない。そんな「人的資本」の考え方をゲームバランスに組み込みました。
2. 避けられない「暴落(クラッシュ)」
S&P500の長期チャートを見れば右肩上がりですが、その途中には必ず、ITバブル崩壊やリーマンショックのような谷があります。 このシミュレーターでも、数年に一度、ランダムで**「市場暴落」**が発生します。
順調に増えていた資産が、一瞬で20%、30%と吹き飛ぶ。 その時、画面上の資産額が激減する演出を見て、あなたは冷静でいられるでしょうか? 実際の投資で多くの人が退場するのは、この「恐怖」に耐えられないからです。ゲームを通じて、この痛みを擬似体験しておくことは、本番での「握力(ガチホ力)」を鍛える訓練になるはずです。
3. ライバルという「比較対象」のウザさ
これが最もこだわった点かもしれません。 暴落して資産が減った年、隣を見ると、ライバルの資産は「微増」しています。貯金しかしていない彼は、暴落の影響を受けないからです。
「やっぱり貯金が正解だったんじゃないか?」 「リスクなんて取るんじゃなかった」
そんな心の揺らぎを、ライバルの存在が可視化してくれます。しかし、それでも歯を食いしばって運用を続けた者だけが、さらに10年後、ライバルの背中を遥か後方に見ることができるのです。
現状の課題と、皆さんへのお願い
と、ここまで偉そうに語ってきましたが、正直に申し上げます。 このツールは、まだ「未完成」です。バグもたくさんあります。
アンチグラビティは優秀ですが、それを指揮する私のディレクション能力がまだ追いついていません。 現状、以下のような課題や「やりたいこと」が山積みです。
- バランス調整不足: キャリアへの投資効率が良すぎて、簡単に億万長者になれてしまうかもしれません。逆に、暴落が厳しすぎてクリア不能な「無理ゲー」になっている可能性もあります。
- イベントの不足: 結婚や出産だけでなく、「親の介護」や「自身の病気」「リストラ」といったネガティブイベントも実装すべきか悩んでいます(あまりにリアルすぎると、ゲームとして楽しくないかもしれませんが…)。
- 税金の考慮: 現在は簡易的な計算ですが、NISAやiDeCoのような非課税枠の概念を取り入れることで、より勉強になるツールにしたいと考えています。
そこで、読者の皆さんにお願いがあります。 以下のURLから、実際にシミュレーターを触ってみていただけないでしょうか?
そして、ぜひコメント欄で**「こんな機能があったら嬉しい」「ここはもっと厳しくシミュレーションすべき」**といったご意見をください。
「インフレ率の設定を入れて、現金の価値が目減りする恐怖も味わいたい」 「暗号資産(仮想通貨)のような、超ハイリスク・ハイリターンの枠も欲しい」 「配当金を再投資するか、お小遣いとして使うか選べるようにしてほしい」
皆さんの知見が集まれば、この『THE SNOWBALL』は、単なる個人製作のゲームを超えて、**「日本一リアルな資産形成の実験場」**へと進化できると確信しています。
複利の雪だるまを、一緒に転がしませんか?
ウォーレン・バフェットの伝記タイトルでもある『スノーボール(雪だるま)』。 湿った雪の上で小さな雪玉を転がし始めれば、時間はかかりますが、やがてそれは巨大な塊となり、誰にも止められない力(資産)となります。
この開発プロジェクトも同じです。 最初は私一人と、AIツール「アンチグラビティ」だけで始めた小さな雪玉ですが、こうして記事を読んでくださる皆さんの「視点」や「アイデア」を巻き込んでいくことで、より良いものへと育っていきます。
コードが書けなくても、作りたいものは作れる。 資産運用の未来は、今の行動で変えられる。
この二つの事実を、このツールを通じて証明したいと思っています。
皆さんの資産形成が、そして私たちのクリエイティブな挑戦が、美しい右肩上がりのカーブを描きますように。 ご意見、感想、そしてバグ報告(笑)、心よりお待ちしています。