皆さん、こんにちは!
最近、SNSやテレビで「相手の矛盾を突いて言い負かす」姿をよく目にしませんか? いわゆる「論破」です。確かに、スパッと相手を黙らせるのは爽快に見えるかもしれません。
しかし、知性を磨こうとする私たちにとって、「論破」は実はもっとも避けるべき、効率の悪い行為だと言ったら驚くでしょうか。
アイザック・ワッツは、真に賢い人になるための条件として、驚くほど強調していることがあります。それは、「自分は間違っているかもしれない」という謙虚な姿勢です。
今回は、相手との対話を「勝ち負け」ではなく「宝探し」に変える方法についてお話しします。
「自分が正しい」と思った瞬間に、成長は止まる
ワッツは、**「自惚れ(ドグマティズム)」**を厳しく戒めています。「自分の考えこそが絶対だ」「相手は間違っている」という思い込みに囚われると、私たちの脳は新しい情報を受け付けなくなります。
これを、あなたの脳という「部屋」で想像してみてください。 「自分は正しい」と確信している状態は、部屋のドアに何重もの鍵をかけ、カーテンを閉め切っているようなものです。外にどんなに素晴らしい景色(新しい視点)があっても、あなたはそれを見ることができません。
ワッツはこう言います。「真理を探究する者は、自分自身の誤りを発見することを、他人の誤りを発見することと同じくらい喜ぶべきである」。 自分の間違いが見つかるということは、それだけ「正解」に一歩近づいたということ。それは敗北ではなく、一つの「進化」なのです。
すべての人間は「生きた教科書」である
第4部のテーマである「コミュニケーション」において、最も重要なのは「聞く力」です。 ワッツは、**「どんなに自分より知識が少ないと思われる相手からでも、学ぶべき点は必ずある」**と説きました。
- 専門家からは、その深い「知識」を。
- 初心者からは、自分が見落としていた「素朴な疑問」を。
- 反対意見を持つ人からは、自分が持っていない「別の角度からの視点」を。
相手を「自分を輝かせるための踏み台」や「倒すべき敵」と見るのではなく、**「自分が見ていない世界を見せてくれる鏡」**だと考えてみてください。 相手の言葉の中に、一つでも「なるほど」と思える宝物が隠れていないか探す。この「宝探し」の姿勢こそが、あなたの知性を多角的で豊かなものにしてくれます。
論破よりも「対話」を選ぼう
もし、友達と意見が食い違った時、どうすればいいでしょうか? ワッツが勧めるのは、激しい議論(Dispute)ではなく、穏やかな**「対話(Conference)」**です。
- まずは相手の言い分を正確に理解する 「でもさ…」と遮る前に、「つまり、君は〇〇という理由でこう考えているんだね?」と確認しましょう。
- 共通点を見つける 「ここは僕と同じ考えだね」と、一致する点を探します。
- 違いを「検討材料」にする 「この点については意見が違うけど、どうしてそう思うのかもっと詳しく教えて」と、興味を持って深掘りします。
相手を言い負かして敵を作るよりも、相手の知恵を吸収して味方を作る方が、長期的にはあなたの「知能指数」も「幸福度」も圧倒的に高まります。
まとめ:謙虚さこそが、知性の「窓」を開ける
今回は、知性を外の世界へ開くための「謙虚な姿勢」についてお話ししました。
ポイントを振り返ってみましょう。 第一に、「自分が正しい」という思い込みは、新しい学びを遮断する壁になること。 第二に、どんな相手からも何かを学ぼうとする「宝探し」の姿勢を持つこと。 第三に、勝ち負けの議論ではなく、**お互いの理解を深める「対話」**を優先すること。
ワッツは、真の知性とは「どれだけ多くのことを知っているか」ではなく、**「どれだけ真理に対して心を開いているか」**だと教えてくれています。 今日、誰かと話すとき、少しだけ「自分の意見」を横に置いて、相手の言葉に耳を傾けてみませんか? そこには、あなたの想像を超えた新しい世界が広がっているはずです。
【明日からできるアクションプラン】 今日、自分と意見が違う人と出会ったら、「論破」しようとする代わりに、こう質問してみてください。 「面白い視点だね。どうしてそう思うようになったのか、もう少し詳しく教えてくれる?」 相手の背景を理解しようと努めることが、あなたの脳のネットワークを爆発的に広げるきっかけになります。